巻頭言:会長挨拶
平成30年度より広島大学医学部小児科学教室同門会の会長の任を拝命いたしました。平成18年より12年間の長きに渡り同門会を牽引された新田康郎前会長の後任として、微力ながら一層の発展に尽力していく所存です。
本同門会も70年を超える歴史と370名の会員を有する会となりました。年月を重ね世帯が大きくなるに連れ、会員の意識も変化したように感じます。以前の直接入局の時代、多くの場合医師としての第一歩は小児科学教室でした。昨日まで医学生だったのに、いきなり臨床現場で小児科医としての研修が始まります。そして、365日24時間を小児科医として過ごすのです。その中で、先輩や同期と「同じ釜の飯を食った」仲間としての意識が芽生えました。もちろん、現在の研修医制度には初期から臨床医として幅広い知識が身につく等のメリットも多くあります。ただ、同じ広島の地で働く小児科医として、先輩や同期とのつながりは重要です。同門会の目的のひとつである「会員相互の親睦をはかる」ことで、同門としてのつながりを一層深められるよう努めてまいります。
もうひとつの目的は「大学小児科学教室の発展に尽くす」と会則に記されています。教室の発展に必要なのは、教室への助成などの経済的資源と教室で活躍できる人的資源です。これまでの国際学会発表の奨励や全国学会開催の助成などの経済的支援は継続し、さらなる充実を図ります。一方、臨床現場の医師不足は深刻で、特に救急医療での勤務医の過重労働は問題となっています。人的資源を確保するためにも、勤務医と開業医が協力して地域医療を担うことが必要です。同門会としても、次世代を担う小児科医が教室で臨床や研究に邁進できるよう尽くしたいと存じます。
最後になりましたが、これらの目的を達成するには同門会の会員諸氏のご支援、ご協力が不可欠です。今後とも、ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申しあげます。